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長期の休みに入る前にやらなければいけない仕事があった。
今になっては何の仕事だったのか思い出すことすらできないが確かにあった。
たぶん実験授業の準備だったのだろう。
前日から徹夜で朝までかかって無事終わらせ朝食は取らずに学校へ登校。

昔からなんでも手をつけるのが遅い私は今でも変わっていない。
「追い込まれてからの俺の追い込みはすごい。」
なんてかっこいいように言うが、いつも不完全燃焼に終わることが多いうえにただの言い訳でしかなく毎回同じことを口にしている。
もっと早くからやっておくべきだった。
わかっているのだから直せばいいものなのだが性格とはそう簡単に変わってくれず10年20年先もこうなのかと考えるとため息が出てしまう。

実験を終わらせ同僚教師の授業見学の後、昼に帰宅する予定だった。
帰ったらすぐ寝よう!
そう思いながら今日の計画を立てる。
夕方には同期のAが家に来るから16時くらいまで寝てそれから旅行の準備をして明日に備えておけばいいだろう。
朝の反省を生かし早くからの準備を計画する。
自分自身の成長を感じて少しうれしくなってしまった。
今日の俺はなにかが違う。

帰宅してる途中寝る前に何か食べておいたいなんてことを考えていた。
でも自分でこれから作るのは面倒くさいし、早くぐっすり寝たいので腹には何か入れておきたい。
外で何か食べようといつも行くメルカドのバラッカ(「定食屋」といってもメニューは多くない)に駆け込む。
常連なので店員さんとも仲が良い。
「ノヴェル元気?最近見なかったけど。」
店員のねーちゃんが元気に声をかけてくる。
名前をいつも間違えるが直しても直しても間違えるのでもう訂正することはしない。
席に着くなりしっかり名前を呼んでくれる店員を呼ぶ
「ピーター、いつもので。それにファンタ。」

ピーターは18歳の高校生でありながら昼間はバラッカで働き、夜は学校へ行っている1児の父だ。
一度仕事をくれないかと相談されたことがある。
仕事をするために12年生を卒業したいんだと娘を抱える彼に言われた。
赤ちゃんを抱えて働いている彼に俺は聞いた。
「奥さんは今なにしているの?赤ちゃんを置いてどこにいるの?」
「奥さんは今学校に行ってるんだ、同じ学校の9年生で…」
それから先は聞き取れなかったのか頭の中に入ってこなかった。
自業自得じゃないか。
「今うちにはお手伝いさんとガードマンがいて仕事をあげることはできないんだ。まず第一にあなたは家族のことを考えなくてはいけない。子どもや奥さんのことをね。その次に学校を卒業することや自分のことを考えよう。」
そういって仕事の話は断った。
再び彼に会ったとき、素晴らしい笑顔で「ノブ、元気か?」正しい名前で呼んでくれるようになっていた。
その一件以来、俺がその店に行った時は彼を呼んで注文するようにしている。

出てきたものはよく食べている鶏のから揚げとご飯にトマトスープをかけたようなもの。
安い早いそこそこ旨い。
完璧な三拍子は揃わないが文句はない。
ピーターと話しながら食事をする。
ふとから揚げに目をやると中が少し生焼けの状態だった。
「ピーター、中がまだ生みたいだからもう一回揚げてもらって良い?」
明日からは待ちに待った旅行だ。万が一にもなにかあってはいけない。
よく気がついた。
今日の俺は何かが違う。
徹夜のせいで決して具合が良いとは言えないが頭は冴えている。
寝不足の時というのはこういうものなのかもしれない。
自分そのものを客観的に見れる自分がいる気がする。
そんなことを考えていると二度揚げされた唐揚げが到着。
昼飯の再開。

食べ終わると代金を払って家路を急ぐ。
食欲を満たされると決まったように眠気が襲ってくる。
脳の中では食欲と睡眠欲を司る部分は隣りあっているのだろう。
きっとそうに違いない。
いつも歩いている道だがやけに家が遠く感じる。
良い兆候だ。
良い睡眠がとれそうだ。

家に着くと寝る準備に入る。
しっかり家の鍵をかけ寝過ぎてもいけないのでしっかり16時に目覚ましをセットしてソファーに毛布を持って行き準備完了。
明日からの旅行のことを考えながらソファーに横になっていると気づかないうちに寝てしまっていた。

あっという間に目覚ましが鳴り、現実世界に引き戻された。
「16時か。」
寝ぼけながらも時計を確認。
寝ぼけているせいなのか寝不足がたたっているのか、体に異変を感じた。
徹夜明けはいつもこんなもんだ。
キッチンへ行ってのどの渇きを潤し、同期がまだ来てないことを確認してもう少し寝ることにした。
旅行の準備は夕食後にやればいい。
時間だってそんなにかかるもんじゃない。
そう思いもう一度ソファーに横になる。

どれくらい時間が経っただろうか。
いくらも経っていなかったのかもしれない。
小さく俺を呼ぶ声がする。
再び現実世界に引き戻される。
横になった状態で耳を澄ますと確かに俺を呼ぶ声が聞こえた。
聞きなれた声。同期のAだ。
そう思いソファーから飛び起きた。
が、体がおかしい。
重い体を引きずるように外に出て塀の門を開け中にAを招く。

「ちょっと調子が悪いからもう少し寝るわ。」
そう言い残し再び横になる。
これくらいの風邪であれば明日には治る。
キリマンジャロは10日からだから問題ないだろう。
そんなことを考えていた。


激しい腹痛で目が覚めた。
きっと現実世界というものは猫の手を借りたいほど厳しい世界なのだろう。
仕事を終わらせて明日から旅行へ行こうとしている者を呼ぶのだから。

それ以降は詳しく覚えていない。
熱も上がり意識も朦朧としていた。
確かに覚えていることは腹痛のせいで「なにこれー」しか言えなくなりAに病院へ連れて行ってもらったこと、病院での診察は少し話をしてマラリア検査の結果が出る前にマラリアと診断するというとてもくだらないものだったということ、これは旅行に行けないなという考えが頭をよぎったということ、今日の俺は確かに何かが違ったことくらいだ。

井戸での水くみ特訓中

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